アイリスオーヤマの加湿器の口コミを読んでいると、「タンクに水を入れても給水されない」という声にぶつかります。星1が並んでいる場所もあって、ここで手が止まる人は多いはずです。加湿器なのに水が出てこないなら、話になりません。
結論から言います。その指摘は、アイリスオーヤマ全体の話ではありませんでした。給水されない・給水フロート・タンクのキャップという同じ場所の不具合は、大容量タンクの特定の1機種に集まっていて、上から直接注ぐタイプでは逆に「給水が楽になった」という声で埋まっています。
同じことが、音にも、お手入れにも起きていました。アイリスオーヤマは加湿方式を4つとも売っているので、レビューが「どの方式の話か」で内容が正反対になるのです。しかも各方式の短所は、公式サイトに自社で書いてあります。
この記事では、公式が公開している説明と実際のレビューを突き合わせました。判断に効くのは星の数ではなく、商品名に書いてある方式の名前と「上部給水」の4文字です。ここが違うだけで、置き場所も掃除の手順も毎日の手間も、まるきり別の製品になります。
\給水で困りたくないなら上部給水/
アイリスオーヤマの加湿器の口コミは、方式ごとに別物です
まず全体の傾向から。星の高さでいうと、上から給水できる超音波式と、分解して丸洗いできるスチーム式の評価が厚く、いっぽうで特定の1機種だけ、給水まわりの故障の話が集まっているという偏りがありました。
そして話題の中心は、加湿力ではなくお手入れと給水です。次いで音。「加湿されない」という不満はほとんど出てきません。加湿はできる前提で、そのあとの手間の話をしている、という読み方が近いと思います。
だから口コミを見るときは、星の数の前に方式を確かめるのが先になります。方式が同じなら、星が割れていても書かれていることは意外なほど揃っていました。逆に方式が違うレビューを並べると、同じ言葉が正反対の意味で使われます。「静か」は、超音波式なら当たり前のことで、スチーム式なら褒め言葉です。
公式が、4方式の短所まで自社サイトに書いています
アイリスオーヤマは自社サイトで加湿器の方式を4つに分けて説明しています。珍しいのは、自社で全方式を売っているのに、それぞれの短所まで書いているところです。
| 方式 | 公式が挙げている長所 | 公式が挙げている短所 |
|---|---|---|
| 加熱式(スチーム式) | 清潔、加湿力が高い | 吹出口や本体が熱くなるため火傷に注意、消費電力が大きく電気代がやや高め |
| 超音波式 | 消費電力が小さい、静か | 粒子が大きく周囲が濡れやすい、お手入れを怠ると菌やカビが放出される可能性 |
| 超音波ハイブリッド式 | 沸騰させないので火傷の心配は少ない | こまめなお手入れが必要 |
| 気化ハイブリッド式 | ヒーターのオン/オフが可能 | 本体価格がやや高め |
この表を持ったうえでレビューを読むと、割れて見えていた評価が整列します。「掃除が大変」は超音波式に、「電気代が高い」は加熱式に、「音がしない」は気化式と超音波式に寄ります。評価が割れているのではなく、違う製品の話が混ざっていただけでした。
「ハイブリッド」でも、ずっとハイブリッドで動いてはいません
これは公式の説明からは読み取れない話で、レビューにしか出てきませんでした。
注意点として、ハイブリッドとうたっているのですが、蒸気の強さが三段階あるうち、強だけがハイブリッドの状態です 床などちょっと低い位置に弱と中の状態で置くと、すぐ下に蒸気が落ちてしまうのでサーキュレーターなどで飛ばしたりするのがいいのかな、とは思います
超音波ハイブリッド式は、水を温めてから超音波で放出する方式です。つまりヒーターが入っているときだけハイブリッドで、弱・中では温めない、ということですね。「ハイブリッドだから床が濡れない」と思って買うと、設定によっては超音波式そのものの挙動になります。
同じ機種のレビューに、置き場所の話も出ていました。
注意点としては、蒸気が湿気を含んでいるので壁際や窓際には置かない方が良いと思います(説明書にも記載されています)。なので部屋の中で置き場所が中途半端だったりします。
説明書に書いてあることを、買った人が書いてくれています。ハイブリッド式は、部屋の真ん中寄りに、ある程度の高さを確保して置く前提の機械だと考えておくと、期待がずれません。
良かったという声
上から給水できるタイプの満足度が、はっきり高いです。超音波式4Lのレビューでは給水の話が最も多く、しかもほぼ全部が肯定でした。「水が上から入れれるのが天才的に楽です。少し大きいですが、床もびちゃびちゃになりません」という書き方です。
分解して丸洗いできることも、繰り返し評価されています。
フィルターレスで、部品全部丸洗いできて、音が静かで、デザインがシンプルな加湿器を探していたら辿り着きました。以前使っていたものはシーズンごとにフィルターを買わなくてはいけなくて、洗えない箇所あるためカビ臭いのが不満でした。これは全部分解して洗えるからカビの心配は無さそうです。
ほかに挙がっていたのはこのあたりです。
- 気化式の「静音モードだとほぼ無音」という声。寝室で使う人の評価が高い
- 気化ハイブリッド式で「ヒーターがあるため、本体や風が熱くならないか心配でしたが、1日使用しても熱くならないため、安心して使用できます」という声
- スチーム式で「アイリスの方は写真のように給水釜(?)を取り出せるので水洗いが簡単で良かった!!」という声。他社のスチーム式と比べて書いている人が多い
- チャイルドロック、おやすみモードで画面が暗くなる点を子育て世帯が評価している
- 「某メーカーの物とほぼ同じ機能で、価格は半値以下」という値段の話
\上部給水で3.8Lのハイブリッド式/
気になったという声
給水されない、という声が1つの機種に集まっています
ここが今回いちばん重要な発見でした。アイリスオーヤマ全体の話ではなく、特定の機種に集中しています。公式ストアが出している大容量5Lのハイブリッド式で、同じ場所の不具合が繰り返し書かれていました。
タンクに水を入れても給水されず、何度かタンクを上げ下げしないと給水されない。ほとんど毎回なので地味に面倒。
給水されない。タンクのキャップの作りが悪くてうまく給水されません。タンクを持ち上げて少し空気抜きをして戻すということを一日に何度もやってます。。夜寝てる間はできないので朝は部屋がカラカラです。。
去年の12月に購入し、3月にタンクが満水なのに給水アラームが鳴り運転できないという故障で一度修理しました。修理後箱のまま保管していた商品を昨日から使用し始めたところ、今度はタンクが空になっても給水アラームが鳴らず運転停止しないという状態でメーカーに問い合わせ中です。他のショップのレビューも一通り読んでみましたが同じように給水フロートの故障が多いようです。
いっぽうで同じ機種に「造りはやや安っぽいですが、機能や価格を考えるととてもコスパが良いと思います」「気化ハイブリット式のものを探していましたが、どれも値段が張るものが多く、購入を渋りましたが、これは比較的安価だったため、購入しました」という高評価も並んでいます。当たれば満足、外れると給水で毎日困るという分かれ方でした。
ほかの機種では、給水の話は出てきても「タンクの蓋が締めづらい」程度で、運転が止まるところまでは行きません。アイリスオーヤマだから、ではなく、この形のタンクだからと読むのが正確だと思います。
\星1の中身を自分の目で確かめる/
届いた製品の製造年
同じ機種のレビューに、製造年についての指摘が出ていました。
1ヶ月前に購入して良かったので他の部屋用にもう一台購入。今のところ何も問題はありません。が、他の方のレビューにもありましたが、届いた商品は2022年製の物でした。価格が安く、新品で、保証もちゃんと付くので問題はないのだと思いますが、初めから納得の上ならともかく商品ページにも何も記載がなく、家電量販店ではあり得ないなーと思うと少しモヤモヤします。
この人は星3で、性能そのものには不満を書いていません。安く買えた理由が在庫の古さだったのかどうかは、外からは判断できません。気になる人は、注文前に製造年について販売店に確認しておくのが確実です。
スチーム式の内釜のコーティング
使用してまだ1週間経っていませんがすでに内釜の底面外側のコーティングが一部ハゲました… 特にどこかにぶつけたりもしていないのですが…内側でなく外側なのでまだいいかなと思いますが、こんなにハゲやすいのかと絶望してます…
別の人も「みなさんのレビューにあった、釜の剥がれが気になるので-1で」と書いていて、買う前からこの点を知って星を1つ引いている人がいる状態です。使用に支障が出たという報告は見当たりませんでした。
持ち手がない
スチーム式で複数の人が書いていました。「口コミ通り持ち手がないのが難点」「本体の取手もあった方が便利だと思います」。給水のたびに本体を運ぶ機種では、ここが毎日効いてきます。
象印と比べた人の書き方が、いちばん正直でした
スチーム式を選ぶ人は、たいてい象印と迷っています。両方を使った人の書き方が具体的だったので、そのまま載せます。
象さんマークのを使っていて加湿器追加購入でどちらにしようか迷ってアイリスさん買ってみました。タンクがはずせるのはやっぱり便利ですね。水替えの時に軽く洗えばカルキがこびりつく事もなく使えています。象さんとくらべて音がすごく静かだけどスチームの威力は全然違います。象さんは音も大きいけどブワーっとスチームが吹き出すけどこちらは微かにでてる?という感じです。最初壊れてるのかと思ったほど。でも水が空になるので壊れてはいないのでしょう…。狭い部屋や音が気になる寝室にはいいけどリビングだと少し力不足に感じでしまいました。
概ね満足です。以前象印のスチーム式を使用していましたが、音が気になること、タンクが洗いにくいことが不満でした。この商品は、まず音はほぼ気になりません。そしてタンクが取り外し可能で、洗いやすいし給水もしやすいです。象印との違いで一番気になることは蒸気が出るまでの時間がかかることです
2人とも同じ結論に行き着いています。静かさと洗いやすさはアイリス、加湿の勢いは象印。どちらが上という話ではなく、寝室なら前者、広いリビングなら後者、という分かれ方です。
\内釜を取り出して洗えるタイプ/
電気代の話は、方式とセットで読みます
公式が加熱式について「消費電力が大きく電気代がやや高め」と明記しているとおり、電気代の話はスチーム式のレビューに偏って出てきます。
追記:使用して1ヶ月経った感想です。まず、スチーム加湿器は電気代が高いのですね。1日8時間使用で月3000円程度のようです。一瞬後悔
これは使った人の見立てであってメーカーの公表値ではありません。使用時間・設定・電力単価で変わるので、そのまま自分の家に当てはめないでください。ただ、同じレビューの中で「フィルターの交換代金、掃除や給水の手軽さ、清潔な蒸気を差し引いて十分満足しています」と書いている人もいて、スチーム式は電気代を手間で買っているという理解がいちばん近いようです。
逆に気化式を選んだ人は、そこを電気代で選んでいます。「今、使用していた加湿器がスチーム式で冬の電気代が高くなり今回調べて比較的電気代が安く衛生面も考えこれにしました」という声がありました。
\ヒーターレスの気化式・最大15畳/
お手入れは、どの方式でも2週間に1回です
「スチーム式にすれば掃除がいらない」と読める口コミがありますが、公式の案内はもう少し厳しめです。
加湿器は2週間に1回程度の内部清掃が推奨されています
方式によって変わるのは、掃除の頻度ではなく掃除のしやすさです。フィルターがあれば洗って乾かす手間が増え、内釜方式なら取り出してスポンジで擦る。超音波式については公式が「お手入れを怠ると菌やカビが放出される可能性がある」と書いているので、ここは飛ばせません。
レビューを読むかぎり、満足度が高い人は全員「分解できるか」で選んでいます。「使用する前に一度お手入れを想定して分解し、理解しておくことをおすすめします(思ったより力がいる、分解方法の案内が最小限)」という助言まで書いている人がいました。同じ人が「Webマニュアルにはさらに詳細な分解・お手入れ方法の説明がありました。こちらの方が断然親切で役に立ちます」と追記しています。
\公式ストアの2年保証つき/
アイリスオーヤマの加湿器が向いている人・向いていない人
向いている人
- 寝室で使いたい人。静かさについての評価が、どの方式でも安定して高い
- 掃除のしやすさを最優先したい人。分解して丸洗いできる設計が選ばれている
- 同じ機能を他社より抑えた価格で買いたい人
- 小さい子どもがいて、熱くならない方式(気化式・気化ハイブリッド式)を探している人
向いていない人
- 広いリビングをスチームの勢いで一気に加湿したい人。象印と比べた声が一致してここを指摘しています
- 給水のトラブルを絶対に避けたい人。大容量タンクの機種でつまずいている報告が出ています
- 製造年や在庫の新しさが気になる人。販売店によっては年式が古いものが届いた報告があります
選ぶときの順番はこうなります。置く部屋の広さで方式を決め、次に給水の向き(上から入れるか、タンクを外すか)を決め、最後に分解できるかを見る。この3つが決まれば、残る型番はそう多くありません。逆に、この3つを決めずに星の数だけで選ぶと、自分とは違う方式の口コミを読んで判断することになります。
アイリスオーヤマの加湿器のよくある質問
- Q: どの方式を選べばいいですか?
- A: 公式は加熱式を「清潔・加湿力が高いが電気代がやや高め」、超音波式を「静かで省電力だが周囲が濡れやすくお手入れが必要」、超音波ハイブリッド式を「火傷の心配は少ないがこまめなお手入れが必要」、気化ハイブリッド式を「ヒーターのオン/オフが可能だが本体価格がやや高め」と説明しています。部屋の広さと、子どもやペットが触るかで絞るのが早いです。
- Q: ハイブリッド式なら床が濡れませんか?
- A: レビューでは、3段階のうち強のときだけヒーターが働く機種があると指摘されています。弱・中では温めないため、低い位置に置くと蒸気が下に落ちるという声がありました。
- Q: 掃除はどのくらいの頻度ですか?
- A: 公式は「加湿器は2週間に1回程度の内部清掃が推奨されています」と案内しています。方式によって変わるのは頻度ではなく、分解のしやすさです。
- Q: 象印のスチーム式とどちらがいいですか?
- A: 両方を使った人の声では、静かさとタンクの洗いやすさはアイリスオーヤマ、蒸気の勢いは象印という評価でした。寝室か広いリビングかで分かれます。
- Q: 給水の不具合が心配です
- A: 給水されないという報告は、大容量タンクの一部機種に集まっています。上から直接注げるタイプでは、給水についての声はむしろ「楽になった」という内容でした。
- Q: 上から給水できるか、どこで分かりますか?
- A: 商品名に「上部給水」「上から給水」と入っているかを見ます。レビューには、上部給水で検索して出てきた商品を確認せずに買ったらタンク式だった、という声もありました。
アイリスオーヤマの加湿器の口コミまとめ
アイリスオーヤマの加湿器の口コミが割れて見えるのは、評価が分かれているからではありませんでした。4つの方式の話が、同じブランド名の下に混ざっているだけです。公式が各方式の短所まで書いているので、それを先に読めば、レビューのほとんどは想定どおりの内容に落ち着きます。
想定から外れるのは2つ。ハイブリッドでも強のときしか温めない機種があること。給水の不具合が1つの形のタンクに集まっていること。どちらも公式の説明には出てきません。
レビューを開く前に、その商品名に「スチーム式」「超音波式」「気化式」「ハイブリッド式」のどれが書いてあるか、そして「上部給水」の4文字があるかを見てください。そこが同じ商品の声だけが、自分にとって意味のある口コミです。
\方式と「上部給水」を確かめてから/
