ダイニチの石油ファンヒーターを調べていると、「電気代が高い」という書き込みに必ず当たります。着火が速いのは魅力だけれど、そのぶん電気を食うなら考え直そうか、と迷っている人は多いと思います。
そこで、ダイニチ公式が出している消費電力の数値をそのまま使って、現行の主要7機種ぶんを計算しました。電力量料金の単価は31円/kWhに固定しています。販売店ごとに書かれている「1時間〇円」は前提の単価がばらばらで比べられないため、使っていません。
結論を先に書きます。
ダイニチの石油ファンヒーターの電気代は、1時間あたり約1.5〜6.6円。電気代が最も小さいのは小火力で使う7畳クラスで約1.5円、大火力で焚く17畳クラスの電気代でも約6.6円です。よく話題になる点火時の370Wは着火の35秒間だけで、1回分の電気代は約0.11円にしかなりません。
金額そのものより大事なのは、ダイニチは燃えている間ずっと電気を使い続けるという点です。これは欠陥ではなく、35秒で着火する仕組みの裏返しになっています。順番に見ていきます。
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ダイニチの石油ファンヒーターの電気代は1時間あたり1.5〜6.6円
まず、自分の機種がどこに当てはまるかを見てください。ダイニチは同じ暖房出力なら消費電力もほぼ揃えているので、シリーズが違っても畳数が同じなら近い数字になります。
| 型番 | 木造のめやす | 小火力の電気代 | 大火力の電気代 |
|---|---|---|---|
| FW-25S7 / FW-2526NE | 7畳 | 約1.52円(消費電力49W) | 約2.54円(消費電力82W) |
| FW-32S7 / FW-3226NC | 9畳 | 約1.61円(消費電力52W) | 約3.04円(消費電力98W) |
| FW-3626L | 10畳 | 約1.92円(消費電力62W) | 約3.97円(消費電力128W) |
| FW-42S7 / FW-4226NC | 11畳 | 約1.95円(消費電力63W) | 約4.43円(消費電力143W) |
| FW-4626L | 12畳 | 約2.17円(消費電力70W) | 約4.71円(消費電力152W) |
| FW-5626L | 15畳 | 約2.48円(消費電力80W) | 約5.89円(消費電力190W) |
| FW-66L5 | 17畳 | 約2.85円(消費電力92W) | 約6.63円(消費電力214W) |
1日8時間、30日使ったとすると、9畳クラスの大火力で1か月の電気代が約729円。小火力中心で使えば電気代は約386円まで下がります。
暖房器具としては小さい額ですが、灯油代とは別に毎月かかるのがポイントです。石油ファンヒーターは灯油だけで動くと思っている人が意外と多く、そこで「思ったより電気代が乗った」となります。
電気代は「燃焼中」「点火時」「待機時」の3つに分かれる
ダイニチの仕様表には消費電力が4つの数字で載っています。大火力時、小火力時、最大(点火時)、待機時です。この4つは使われる場面も長さもまったく違うので、分けて考えないと実際の金額を見誤ります。
燃焼中は大火力と小火力で倍近く違う
電気代のほとんどはここで決まります。9畳クラスのFW-3226NCなら、大火力98W・小火力52Wでほぼ倍の開きがあります。
石油ファンヒーターは設定温度まで一気に上げて、あとは弱火で維持する動きをします。つまり立ち上がりの数十分だけが大火力で、残りの時間は小火力に近いのが普通です。
上の表で大火力の数字を見て身構える必要はなく、実際の平均は小火力寄りになると考えておくと感覚が合います。
点火時の370Wは35秒だけ
「ダイニチは点火時に370W使う」という話が独り歩きしていますが、これは着火の35秒間に限った最大値です。
31円/kWhで計算すると、1回の点火にかかる電気代は約0.11円。1日5回つけ消ししても、点火ぶんの電気代は1円に届きません。
15畳クラスのFW-5626Lは点火時410W・着火40秒、17畳クラスのFW-66L5は420W・45秒と少し上がりますが、それでも1回分の電気代は約0.14〜0.16円です。点火のワット数より、燃焼中に流れ続けるワット数の方が電気代への影響はずっと大きいと覚えておいてください。
待機時は1.0W、1か月でも約22円
コンセントを挿しっぱなしにしたときの待機時消費電力は、どの機種も1.0Wです。24時間365日挿しっぱなしでも、1か月あたりの電気代は約22円。シーズンオフに抜いておく手間に見合うかは微妙なところです。
ただしタイマー予約を使う場合は待機状態が必要になるので、抜いてしまうと予約が効きません。使うシーズン中は挿したまま、片付けるときに抜くという運用で十分です。
▼9畳クラスの仕様を確認する▼
なぜダイニチは燃焼中の消費電力が大きいのか
ここを理解しておくと、「電気代が高い」という評価をどう受け取ればいいかが見えてきます。
35秒の着火と引き換えになっている
石油ファンヒーターは、灯油を気体にしてから燃やします。この気化のやり方がメーカーで違います。
ダイニチは電気ヒーターで灯油を温めて気化させる方式です。だから電源を入れてすぐ気化器が働き、35秒で着火できます。その代わり、燃えている間もヒーターに電気を流し続ける必要があります。
燃焼の熱を使って気化させる方式なら、燃え始めたあとの電気はほとんど要りません。その代わり着火には1分前後かかります。速く点くか、電気を使わないか。この2つは同時に成立しません。
「電気代が高い」という声はどこから来るか
気になったので、この記事でリンクしている2機種のレビューを合計40件読んでみました。電気代に触れていたのは1件だけです。
しかもその1件は「電気代のコストがやや高めらしいが、においが気にならず暖房能力も良く満足している」という書き方で、本人が請求書を見て困っているわけではなく伝聞でした。
レビューで繰り返し出てくるのは着火の速さとニオイの少なさで、電気代はほとんど話題になっていません。ネット上で目立つ論点と、実際に使っている人が気にしている点はズレている、ということです。9畳クラスなら電気代は月700円程度なので、体感として問題にならないのだと思います。
灯油の減り方も合わせて確認しておく
ランニングコストの大半は灯油代です。電気代だけ見ていても全体像はつかめないので、公式の燃料消費量も並べておきます。
| 型番 | 燃料消費量(最大〜最小) | タンク | 燃焼継続時間 |
|---|---|---|---|
| FW-25S7 / FW-2526NE | 0.243〜0.066L/h | 3.5L | 14.4〜53.0時間 |
| FW-32S7 / FW-3226NC | 0.311〜0.072L/h | 5.0L | 16.1〜69.4時間 |
| FW-3626L | 0.350〜0.072L/h | 9.0L | 25.7〜125.0時間 |
| FW-4626L | 0.447〜0.088L/h | 9.0L | 20.1〜102.3時間 |
| FW-5626L | 0.544〜0.120L/h | 9.0L | 16.5〜75.0時間 |
| FW-66L5 | 0.642〜0.130L/h | 9.0L | 14.0〜69.2時間 |
灯油の単価は地域と時期で大きく動くので、ここでは金額に換算していません。お住まいの地域の1Lあたりの価格を、上の燃料消費量に掛けてください。9畳クラスを大火力で1時間使えば0.311L、小火力なら0.072Lです。
見ておくと役に立つのが右端の燃焼継続時間です。9Lタンクのモデルは大火力でも20時間以上もつので、給油の回数が半分以下になります。レビューでも9Lタンクを選んだ理由として給油の手間を挙げる人が目立ちました。
▼9Lタンクのモデルをチェックする▼
ダイニチ 石油ファンヒーター L TYPE FW-5626L
電気代を抑える3つの方法
仕組み上、燃焼中の消費電力そのものは変えられません。効くのは「大火力で焚く時間を減らす」方向の工夫です。
1つ目は、部屋に合ったサイズを選ぶこと。広い部屋に小さい機種を置くと、いつまでも設定温度に届かず大火力のままになります。表を見ると分かるとおり、大火力と小火力では消費電力が倍近く違うので、ここが一番大きく効きます。
2つ目は、エコ機能を使うこと。ダイニチの現行機種には「ecoおまかせモード」があり、設定温度に達したら自動で火力を落とします。上位機種では一時消火まで行うタイプもあります。レビューでも灯油の減りが穏やかになったという声が出ていました。
3つ目は、つけ消しを減らすこと。点火1回あたりの電気代は約0.11円と小さいのですが、消すたびに部屋が冷えて、次に点けたとき大火力で立ち上げ直すことになります。短い外出なら弱運転で維持した方が、結果的に電気代も灯油代も抑えられます。
実際に使っている人の声
楽天のレビューから、電気代とランニングコストに関わる部分を拾いました。評価と件数は2026年9月時点のものです。
9Lタンクのモデル(レビュー289件・平均4.52)では、電気代に触れつつ総合では満足しているという声が見られました。
- 以前は他メーカーを使っていたが故障し、燃焼時のニオイも気になっていたので買い替えた。電気代のコストはやや高めらしいが、ニオイが気にならず暖房能力も良いので満足している
- 9Lタンクなので灯油の補充が楽になった
- コロナのファンヒーターから買い替えたが、タンクが9Lもあるので給油する手間が省ける
- 設定温度を下げてもエコモードにしても暖かいが、以前の機種より灯油の減りは早くなった
9畳クラス(レビュー45件・平均4.6)では、着火の速さを評価する声が中心です。
- スイッチを入れて数秒で点火し、エコ運転でもわりと早く部屋が暖まった
- 8年使った機種は着火にも設定温度に達するのにも時間がかかっていたが、スピード着火で30分ほどで暖まるようになった
- エコモードで灯油の減りが少なくて助かっている
気になった点として挙がっていたのは、点火時の音と、ニオイは完全にゼロではないという指摘でした。9Lタンクのモデルでは、点火から20分ほどで大きな音がして驚いたという声もありました。
ダイニチの石油ファンヒーターのよくある質問
- Q: ダイニチの石油ファンヒーターは電気代が高いのですか?
- A: 燃焼中もヒーターで灯油を気化させ続けるため、燃焼熱で気化させる方式より消費電力は大きくなります。ただし金額は1時間あたり約1.5〜6.6円で、9畳クラスを1日8時間・30日使ったときの電気代は約729円です。
- Q: 点火時の370Wでブレーカーが落ちませんか?
- A: 370Wは着火の35秒間だけの数値です。電子レンジやドライヤーと同時に使えば合計は増えますが、370W単体で問題になる水準ではありません。
- Q: エアコンと比べて電気代はどちらが安いですか?
- A: 石油ファンヒーターは熱の大部分を灯油から得るので、電気の消費量だけならエアコンより小さくなります。ただし灯油代が別にかかるため、合計での比較は灯油の価格次第で変わります。
- Q: コンセントを抜いておいた方がいいですか?
- A: 待機時消費電力は1.0Wで、挿しっぱなしでも1か月あたり約22円です。タイマー予約を使うなら挿したままにしてください。シーズンが終わって片付けるときに抜けば十分です。
- Q: エコモードにすると電気代も下がりますか?
- A: 火力が落ちれば消費電力も小さくなるので下がります。9畳クラスなら大火力98Wから小火力52Wへ、ほぼ半分です。灯油の消費量も同時に減ります。
- Q: 同じ畳数でもシリーズによって電気代は変わりますか?
- A: ほとんど変わりません。たとえば木造9畳クラスのFW-32S7とFW-3226NCは、どちらも大火力98W・小火力52Wで同じです。シリーズの違いは液晶やタンク容量、消臭機能などに出ます。
ダイニチの石油ファンヒーターの電気代まとめ
公式の消費電力を単価31円/kWhで計算すると、ダイニチの石油ファンヒーターの電気代は1時間あたり約1.5〜6.6円でした。9畳クラスを1日8時間・30日使ったときの電気代は約729円、小火力中心なら約386円です。
話題になりやすい点火時の370Wは着火の35秒だけで、1回分の電気代は約0.11円。電気代を左右しているのは、点火の瞬間ではなく燃焼中ずっと流れている52〜214Wの方です。
そしてこの消費電力は、35秒で着火する仕組みと引き換えになっています。毎朝すぐ暖まってほしい人にとっては、月数百円で買っている待ち時間の短さだと考えることもできます。
抑えたいなら、部屋に合ったサイズを選んでエコモードを使い、大火力で焚く時間を短くするのが順番として正しいです。
▼サイズと電気代を確かめて選ぶ▼
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